古代の歴史を感じる神秘的な雰囲気と、自然豊かな環境が魅力の奈良県桜井市の磐余の邑を訪ねました。磐余の邑は、古代ヤマト王権の根拠地としても知られる歴史的な観光スポットです。ここは4人の天皇(履中天皇, 清寧天皇, 継体天皇, 用明天皇)の宮が築かれていた伝承の地です。JR桜井駅→若櫻神社→石寸山口神社→土舞台→安倍文殊院→艸墓古墳→上之宮遺跡→等彌神社→魚市場跡→桜井駅のコースを半日かけて探訪しました。
日本書紀によると第十四代仲哀天皇の后である神功皇后が大和の国に磐余若櫻の宮を造ったとされています。すぐ近くに「櫻の井」と呼ばれる井戸があり、円形に積み上げられた石は苔むしていますが、井戸の水は現在も澄んでいて水量豊かです。市の名前の「桜井」もこの井戸にちなんでいるとのことです。「土舞台」は聖徳太子が舞踏をしたと伝えられ、我が国最初の演劇研究所を置いた所で、“芸能発祥の地”として著名な芸能人がここを訪れたようです。安倍文殊院は大化元年(645)に安倍倉梯麻呂の氏寺として創建された寺です。本尊は快慶作の日本最大(約7m)の文殊菩薩です。私が訪れた時は、耐震工事中で文殊菩薩が獅子から降りた状態を拝観できました(残念ながら撮影禁止でした)。拝観記念に五芒星の印の入った落雁を戴きました。この付近には安倍一族の古墳が多くあるらしく、艸墓古墳では盗掘されて穴の開いた石棺が残っていました。その後も史跡を歩いて桜井駅へ。合計18000歩の史跡探訪でした。桜井駅近くの中華料理は安くておいしかったです。少し高めの紹興酒も頂きました。
紅葉散る磐余の邑に桜の井
冬草を四囲に鎮もる土舞台
石棺に盗掘穴や凍てつのる
寒暁や菓子に型抜き五芒星
土舞台の碑